この度、第56回農林水産祭におきまして栄えある内閣総理大臣賞を賜り、大変喜んでおります。これもひとえに日頃より多大なご支援とご協力を頂いております製造工場の皆様や、お茶摘みさん、各茶業関係機関の皆様のおかげと心より深く感謝しております。
宇治の伝統的な製法である本ず栽培をはじめとする「覆い下茶園」は、紫外線をほとんど通さないことから、茶葉中にアミノ酸成分が多く含まれます。そして、手摘みで品質の良い一番茶の新芽だけを摘採することで、高品質な茶を生産し、土壌診断や茶葉のアミノ酸分析を定期的に行い、その結果を施肥や被覆などの栽培技術の改良に役立て、点滴施肥を導入するなどの工夫により、収量・品質を維持しつつ窒素施用量を削減しております。
また、摘採時期には、女性を中心に一日あたり約50人のお茶摘みさんを臨時的に雇い入れ、子育て世代を含む様々な年齢層のお茶摘みさんに対して、様々なライフスタイルや事情を考慮して作業時間の調整や作業場所の選定をするなど、女性が働きやすい環境づくりにも努めております。
この度の受賞は、伝統的な宇治茶栽培に科学的分析を取り入れた新たな栽培方法を推進することや地域ブランドの確立を目指した取り組みが評価されたものと感じております。
今回の受賞を励みに宇治の先人が築かれた伝統的な宇治茶栽培を継承し、次世代に繋がる産地として、新しい技術と調和させながら、安全・安心で美味しい宇治茶作りに一層努力し、宇治茶の発展に寄与して参りたいと思います。
改めて、一芽一芽にお力をお貸しくださいました皆様には、心より深く感謝申し上げます。宇治茶に育てて頂いた賜物です!